Pixel 5a の突然死

突然の死

昨年末12月28日の21時ごろ、私物の Pixel 5a で LINE のビデオ通話をしていたところ突然フリーズし、数秒後画面が暗転した。もともとビデオ通話で熱を持ちやすい端末だと感じていたので、この時点で特に焦ることはなかった。

電源ボタンを長押しして端末を再起動することができたため、あらためてビデオ通話を再開したが1分も経たないうちに同じ状態に陥った。ただし、電源の長押しで再起動することはなかった。

原因の調査

ひとまず Google のヘルプページで現象について調査した。

公式にそれなりに手順が公開されていたため一通り試したが、文鎮化したスマートフォンが生き返ることはなかった。そんな中、コミュニティ(フォーラム)では同様の事象が複数人から報告されており、また、 Google もそのために修理期間を延長するプログラムを行っているとの不穏な情報を得た。

サポートへの問い合わせが濃厚になったが、夜間であったこともあり、ひとまず翌朝まで様子を見ることにした。一度放電すればあらためて充電ができるのではないかという期待もあった。

サポートに問い合わせ

翌朝、 Pixel 5a の状態に変化はなかったため、9時30分ごろにサポートにチャットで問い合わせを行った。

「デバイスを探す」機能によるデバイスのリセットを手順を案内されたが、端末へのアクセスが行えず、リセットはできなかった。

チャット自体はスムーズに進み、ものの10分ほどで交換手続きとなった。

先に故障品を返品してから交換品を手配してもらう「通常交換」と、クレジットカードでの信用照会(与信枠の仮押さえのようなもの)をもって交換品を先に手配してもらい、それと交換で故障品を返送する「事前交換」の案内がされ、事前交換を希望した。

ヘルプページには年末年始による発送の遅れの可能性がある旨のメッセージが表示されていたので、交換品の発送および到着がいつ頃になりそうか確認したところ、倉庫の状況次第ではあるが、早くて明日(30日)、遅くとも明後日(31日)の発送となるとの返事だった。

交換用端末の注文

チャット終了からおよそ1時間ほどで交換用端末を注文するためのリンクが記載されたメールが届いた。また、メールには故障品の返送方法も記されていた。

すぐに交換用端末の注文を行った。正確には記録が残せていないが、この時点では Web 上で1月1日以降の到着予定との表示だったように思う。

年末年始に故障してしまったので運が悪かったなと思っていたが、想像以上に迅速に対応してもらえるようでありがたかった。

スマートフォンのない期間

運がいいのか悪いのか、実家に長めの帰省をしているタイミングであったし、仕事をするためにパソコンも持ち帰っていたので特に不便はなかった。むしろこれがデジタルデトックスというものか、などと思いながら家族でテレビを眺める時間が長く、良い経験だった。

ところがどっこい

のんきにデジタルデトックスをエンジョイしていたのだが、なかなか交換品発送のメールが来ない。Web 上で確認してみても状況に変化はなさそうだ。

ということで年が明けて1月4日、あらためてサポートにチャットで問い合わせたところ、年末は29日で倉庫の営業が終了しており、それに間に合わなかった場合は1月4日以降の発送となるという返事だった。また、具体的な発送日も返答はできないようだった。

交換品の配送先を帰省先住所としているため、あまり遅くなる場合は変更をお願いすることになるかもしれないと伝え、チャットを終えた。

その日のうち(13時30分ごろ)に、改めてメールでまだ交換品が発送前の段階であることが分かったとのメールをいただいた。あわせて、年末のチャットでの誤案内についてお詫びを担当部署と調整している、との記載もあった。誤りを誤りと認められる姿勢、素晴らしい。

まだまだどっこい

1月7日になっても交換品発送の連絡が来ないので、改めてメールで問い合わせた(12時ごろ)。はじめはチャットで問い合わせたかったが、チャットのプリセット的なものを選ぶのだが、それが前回と同じだと「本件はまだ進行中です」のような表示になりチャットを開始できなかったのである。なので仕方なく1月4日のチャット後にいただいたメールに返信する形でその後の状況を問い合わせた。

すると翌日8日15時30分ごろ、前任者不在のためと違う方から返信があった。いわく、現在も交換用デバイスの配送手配中であるとのことだ。

配送手配、どれだけキューが溜まっているのだろう。この時点で、実際は交換用デバイスの「配送手配」を行っているのではなく、交換品として整備品を送るのだが、その整備に手間取っている、あるいは整備品の在庫がなく、同様の問題で返品される故障品の到着を待っているのではないかという疑惑が浮かんでいた。

なお、この日さらにもう1通メールが届き、誤案内のお詫びとしていくらかのストアクレジット(詳細は額は伏せる)が進呈されたことが知らされた。

交換品の配送先変更の依頼

1月9日、年明けから最初の3連休を終え、そろそろ本格的に仕事をしないとな、と考えたので1月10日に自宅に戻ることに決めた。そのため11時30分ごろに交換品の配送先変更の依頼をメールで送信した。この時点でまだ発送の連絡は来ていない。

その日のうちに配送先変更を配送パートナーに依頼したとの返信があった(18時ごろ)。

別の端末の購入

実家から自宅に戻る際にスマートフォンがないと流石に不便だろうと思ったので、9日の13時30分ごろに Pixel でない別の端末を購入した。

Google のサポートチームの方々の名誉のために補足すると、もともと「別の端末」については心惹かれるものがあったし、 Pixel も 3a → 5a と2機種使ってきて、そろそろ別のものに変えようかなと思っていたところではあった。ただ、新しい Pixel を購入する際に 5a を結構な額で下取りしてくれるので、その安さだけが魅力で Pixel を継続しようかどうか悩んでいたところではあるので、結果的には今回の件(サポートよりも、そもそも突然死することが問題であると思っている)が最後のひと押しになってしまったのかもしれない。

9日に注文した新しい別の端末は10日の12時ごろに到着し、急いでセットアップして帰路のお供にすることができた。

交換品の発送連絡

1月10日、交換品が発送されたとのメールがあった(20時ごろ)。このメールはサポートからのメールではなく、システムからのメールだった。そのメールによると配送先が帰省先のままだったが、 Google 側のシステムは古い情報を持っているのだろう、配送パートナーに連絡はしたと返信ももらっているし、明日か明後日にはちゃんと自宅に届くだろうと思った。

交換品の誤配送

ところが1月11日、実家から連絡があった(9時30分ごろ)。 Google から荷物(ゆうパック)が届いたが配送先が違うので受け取りを拒否した、との連絡だった。すぐに配送先が違うとサポートにメールした。

同日、もう一度実家から連絡があった(16時ごろ)。またしても Google から荷物が届いたとのことだった。この時点で朝のメールに返信はなかったが、重ねる形でもう1通、なるべく早急に日本郵便に配送先の変更を依頼するようにお願いしますとメールを送った。

語気がやや強くなっていたからか、30分程で返信があったが、内容は「先日メールで連絡をいただいたあと、配送パートナーに依頼を行わせていただいている状況である。現在手続きを行っている状況の確認ができた。ご不安をかけてお詫び申し上げる」というなんだかよくわからない返答だった。

ついに交換品が手元に届く

1月13日、ついに交換用端末が手元に届いた(10時30分ごろ)。12月28日の21時ごろに端末が故障してから実に15日半、12月29日の9時30分ごろにサポートに問い合わせてから丸15日後のことであった。

突然死で困ったこと

端末にしか存在しないデータはほとんどないので、困ることと言えば MFA として利用している Google Authenticator の1点に尽きる。

ただ、 MFA 設定しているサービスの多くは SMS を(または「も」)利用しているのでクリティカルではなかった。

クリティカルだったサービスのひとつはパスワードマネージャーの Bitwarden だ。あらゆるパスワードをここに突っ込んでいるので無防備にしておくわけにもいかず、 Google Authenticator で MFA 設定していた。リカバリーコードはおそらくパソコンを新調した際に紛失してしまっているらしかった。リカバリーコードを紛失している以上、そのアカウントにはもうアクセスできないという心強い言葉を公式のヘルプページで見つけたので、まだログイン状態が生きているパソコンからパスワード一式をエクスポートし、新しいアカウントを作成してそこにインポートする形でなんとか復旧した。

もうひとつは業務で使っている AWS の MFA 設定である。こちらは管理者がいるので、管理者に甘えていったん MFA 設定を解除してもらい、パスワードでログインしてから再度 MFA 設定する形をとった。