料理をすることが好きだ。だが、食に対しては特にこだわりがあるわけではない。
ずっと在宅勤務をしていると、明確に仕事から離れる時間があったほうが良いのだが、そのひとつが料理という実際に手を動かせる作業である。特に野菜を切るという作業は心を無にできるのでおすすめだ。
ということで、私は料理に特別こだわりたいわけでもないが、とにかく料理という作業がしたい。ただ、その作業を生活の負担にはしたくない。特に献立を考えることが好きでなく、冷蔵庫の中身を(ほぼ何も考えずに)即興で消費していくスタイルが好ましい。
そう考えたときに、毎晩同じ料理を作り続けてみるのはどうだろうかと考えた。きっかけはこの本。
ベースの調味料はスパイス3種と塩、にんにく、しょうがのすりおろし、チリペッパーくらいで、あとはトマトがあれば、具(鶏、ミンチ、魚、エビなどの肉類、ほうれん草、ニラ、パプリカなどの野菜類)の組み合わせでいろいろなバリエーションのスパイスカレーが作れるので、毎日同じ調理方法を無心で繰り返していても栄養的にはあまり偏らずにすむのではないかと考えた。
そして実際に10月をレンチンスパイスカレー月間とし、実践した。以下、やったことと得た知見を書き記す。
- ほとんど毎日の夕食をレンチンスパイスカレーとした
- 外食を3日したが、それ以外は本当にレンチンスパイスカレー以外食べなかった
- 書籍でもおすすめされていた PYREX ベジタブル スチーム ポット 700ml を使用した
- レンチンしたあと、上からごはんを入れてそのまま食べられるので洗い物が少なくて良い
- 男性の一食分には少し小さいかもしれない(食材を山盛りにするとまぜるときにスパイスが溢れる)
- スパイスは S&B のターメリック、クミン、コリアンダー、チリペッパー、パプリカパウダー、こしょうを使用した(そのへんのスーパーで調達できる)
- 書籍ではターメリック、クミン、コリアンダーの 1:1:1 の配合を基本としていたが、個人的な好みとしてはコリアンダー多めのものがカレーらしい風味があって好きだった
- ターメリック、クミン、コリアンダーの基本のスパイスだとほとんど辛味がでないのでチリペッパーはあったほうが良い
- 肉類はいろいろ試したが、結局は冷凍の鶏むね肉、冷凍の合い挽きミンチ、冷凍のエビが使い勝手が良かった
- 冷凍だと買い物に行く頻度を減らせる
- 冷凍の魚は先に解凍して水気を切らないと臭みが強いが、鶏、ミンチ、エビは冷凍のままレンジに入れられる
- 合い挽きミンチは油が出るので後述する高温で調理したい野菜と相性が良い
- 鶏肉は軽く小麦粉とハーブ類をまぶしておくと、鶏肉だけで味が出る
- 小麦粉をたくさんまぶすとルウで作ったカレーのように多少のとろみがつく
- 野菜はニラ、かぼちゃ、白菜がおすすめ
- カレーは基本的にあらゆる具材が均一な味になるので、それ自身が強い味を持っているニラやかぼちゃはアクセントになって良い
- 白菜は大量に水を出し、また味を吸うので、スープカレーっぽい仕上がりになって面白かった
- たまねぎはレンジでは温度が上がりきらず辛味が強く残るのでフライドオニオンを利用するのが良い
- かぼちゃ、じゃがいも、にんじんなどの根菜は事前に水と一緒にレンチンして柔らかくしておく必要がある
- なすやズッキーニなどをとろとろに調理したい場合は、少しオリーブオイルをかけてレンチンするなど工夫が必要
- 冷凍のグリル野菜ミックスを入れるのもあり
- 同様にホールスパイスの類も高温の油でないと利用できないので、たまにはフライパンで作ってもいいかもしれない
- ごはんも少し味をつけるなどの工夫をした
- スープストックトーキョーのごはんが好きで、あれを再現しようとしてオリーブオイルと塩を加えて炊き込み、白ごまを散らしたりした
毎日同じ調理方法を繰り返すと圧倒的にフィードバックループのサイクルが短く、毎日の改善を積み重ねられて楽しかった。
今後も完全食っぽいタイプでいろんな具材と相性の良い料理で◯◯月間をやりたいと思っている。今のところは、
- パエリア
- 餃子
- キムチ鍋
- 広く鍋とすると何鍋にするかということを考えないといけないので、狭くキムチ鍋限定
- ペペロンチーノ
- 毎日パスタをおなかいっぱい食べていると炭水化物が過剰になりそうなので、せめて辛めのもので……
あたりを候補に考えている。